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思春期について

思春期とは、定義が難しいのですが、日本産科婦人科学会では、「性機能の発現、すなわち乳房発達、陰毛発生などの二次性徴に始まり、初経を経て、二次性徴の完成と月経周期がほぼ順調になるまでの期間をいう」としています。
これを簡単にいうと、個人差はありますが、平均的には「8~9歳頃から17~18歳頃までの時期」を思春期といいます。

思春期の発来の順序

いろいろなホルモンの作用により、女性らしさがでてきますが、一般的に、10歳前後で乳房の発育、 11歳前後で陰毛の発生、平均12.5歳で月経が発来、がおこってきます。

思春期の問題点は

  • 生理が始まらない、不順である。
  • 生理痛がひどい

の訴えが多いようです。

生理が始まらない、不順である。

初めて生理が始まる(初潮、初経)のは、大体12歳(小6~中学1年生)ころですが16歳くらいまでは待ってよいでしょう。卵巣機能が未熟なためのことがほとんどですが、ときどき、膣や子宮の異常のこともあり、 16歳を超えても初経が起こらないときは産婦人科受診をお勧めします。

また、月経不順については、大体少なくとも2ヶ月に1回月経がくれば様子をみて差し支えないと考えます。

具体的には、ホルモン分泌能力が、どのくらいあるかを確認してからの治療になります。

生理痛がひどい

毎月、ひどい生理痛で学校を早退したり休んだりしなければならない子をみかけます。そういった痛みを経験しないとわからないと思いますが、励ますのをやめて一度産婦人科受診をしたらいかがですか?

ふつうは、単なる生理痛(診察しても異常所見がみあたらない。)のことが多いです。しかし、ごくまれに、子宮や卵巣のできものがあることがあり、一度は産婦人科診察は受けておくべきでしょう。

単なる生理痛の対応方法

痛みはがまんしない

自分にあった方法で生理痛を克服する!

お薬の種類 対応方法
鎮痛剤の服用

痛み止めを服用すると癖になる、といってがまんにがまんを重ねる方をみかけますが、ナンセンスです。毎日服用するわけではないので、癖になることはまずありません。
実は、飲み方にコツがあります。

  1. 痛み出したら様子を見ないで直ちに服用する。
  2. そろそろ生理がはじまるかな、と自分でわかる人は生理が始まる前に、1日1~2錠を前もって服用する。

→生理がはじまっても、痛みが軽くなる傾向にあります。

ピルの服用

ピル=避妊、と思いがちですが、ピルは避妊効果のほかに、

  1. 生理痛を和らげる
  2. 生理の量を少なくする

などの効果があります。詳しくは、ピルについてを見てください。
未成年にピル服用は抵抗がある、とお思いのかたもいらっしゃるでしょうが、主治医の先生とご相談ください。

漢方療法 漢方薬で生理痛を和らげる方法もあります。

学生・未婚の方の産婦人科での対応方法

まだ、結婚をしていない、はずかしい、など、どうしても内診はいやだ!という方もいらっしゃいます。しかし、骨盤に異常があるのかないのか調べることは重要です。

そういう場合には、内診をせず、おなかの上から超音波という器械をあてて子宮と卵巣を調べる方法もあります。受付のときに、「内診を受けたくない」旨、お伝え下さい。